エンゼルメイクを知っていますか
死化粧の時
「人間は、自然の一部として生きて老いて死ぬはずが、葬式によって何十年生きたという証が消えてしまう。家族の手をはなれてしまう。主人の両親、父、叔父、叔母、友人……と、見送った。なんだろう、何時も遠い。大切な人達だったのに。遠いところで見送っている。これが現在の別れ方で、ふっと生きていることが空しく思えていました。そんな時にエンゼルメイクについての講座に参加しました。いま、九十四歳の母が年相応の元気さでいてくれる。もし、母に死が訪れたら、母の一生をねぎらい、頬をなでたり、手足を洗ったり、着替えさせたり、手足を洗ったり、着替えさせたり、身体を洗ったり、さすったり…してあげたい。」 A6 224頁 2009年12月発行 |