つくばで日記  2008年4月-7月  


 

2008年7月20日
   昨日は、金沢に日帰り出張で、行きの飛行機の出発が30分ほど遅れた。「使用する飛行機の到着が遅れたことが影響した」とロビーでアナウンスがあった。
  出発が遅れたことに腹を立てた数人が、機内に乗り込む際にキャビンアテンダントの女性に文句を言っていた。「おたく、最近遅れてばかりだな」「たるんでるんだよ!」「納得いかないなあ」と。私は寛容な大人の気分で<まあまあ、そんな怒りなさんな。遅れたくて遅れたんじゃないんだろうから>と思いながら席に着いた。
  離陸前にキャビンアテンダントさんが荷物などの安全確認に回ってきた際、私のうしろの席の男性(60代くらいと思しき声)が、彼女に改めて遅れの理由を訪ねた。すると彼女はここだけの話という口調で「離陸してから体調が悪くなった方がいらして、空港に一旦引き返したためにこちら到着が遅れてしまいました」とコメント。それを受けて、質問した男性が、よく響く太い声でゆっくりと、「病気の人が出て引き返し、それで遅れたなら、仕方ないわなあ」と言うと、周辺に座る人たちから「たしかにそうだね」と思ったような空気を感じた。「それなら、まあ、納得できるけどね」と心の中でつぶやいている自分に気づき、自覚はなかったけれど、実は私も遅れにイラついていたのだということがわかったのだった。

 

2008年7月14日
    うちの二階の窓からは大きなねむの木が見える(写真)。ねむの木を庭に植えると人の怒りを除く、という言われがあるらしい。たしかに、夜になると葉を閉じて眠につくように見えるこの木は、とくにピンクのふわふわの花をつけたときなんか、見ているだけで気持ちがゆっくりしてくる。葉を閉じたり開いたりするのは、体内時計と光の加減で起こるらしい。でも、なんでそんな動きをするのか、その理由は仮説があるだけで解明はされてないそうで、あのダーウィンも悩んだのだとか。
 知り合いから単行本『ガンディー「知足」の精神』(人間と歴史社)をいただいた。カンジーよりガンディーが近い発音らしい。マハートマ・ガンディー。ガンディーも、ねむの木を見てなにかを思ったのだろうか。思ったね、きっと、なにかを。

 

2008年7月6日
   赤、それもラズベリーのような赤色の首飾りが以前からほしくてずっと探していたのだけれど、最近、やっとみつかった。写真がそれ。 でもたぶん、実際につけることはなく、たまに手にとっ ては眺めるだけになると思う。首飾りに限らず、アクセサリーって、使うより眺めていたほうがうれしいものが割りに多い。

 

2008年6月30日
  知り合いがつくばに遊びに来てくれたときには、できるだけおいしいお店に連れていきたい。その備えとして、近くのお店にぼちぼち行ってみている。こないだはイタリアンの「ハートランド」というお店に行った。以前につくばに住んでいて現在スウェーデン在住の方がメールでおしえてくれたお店だ。おいしかった。マル。チラシより口コミ情報のほうが間違いないと改めて感じている。

  写真は、ハートランドで使っているらしいプロパンガス。かもめガスってはじめて知った名前。♪ちっちきちっちー♪のレモンガスはレモンの匂いがしそうな気がしたけど、かもめガスはふわふわと上っていきそうなイメージ。でも、プロパンガスは空気より重いから実際は上がっていかないのだろうけれど。ちなみに、都市ガスは空気より軽いらしい。 

 

2008年6月22日
 昨日、国分寺駅の駅ビル内のお寿司屋さんでランチを食べていたら、ご夫婦らしい年配の二人連れが私の席から少し離れた席に座った。二人は、なにか昔話をしているらしく、奥さん通る声だけがよく聞こえた。彼女は「そうだったね」「よかったね」しか言わず、そのうち「たね」を強調するような言い方をするので、私には「たね」の連発のように聞こえ、そのうち私の中で「たね」は「種」となった。連呼された「種」は百個以上と思われ、おもしろかった記念に、帰りに「柿の種」フレッシュパックを購入。 

 

2008年6月15日
 こないだの雨の日。銀座のガラス張りのカフエ(1F)で、通りを歩く人たちを眺ながら人を待ってい たら、ひとりの年配の男性に目がいった。アンブレラと呼びたくなるような、黒の大きな傘をさして、背筋を伸ばしゆっくりと歩いてくる。たぶん、布製の傘な のだろう。黒が濃く黒い。上等そうなダークグレーのスーツに、赤みのある茶色のネクタイ。小柄な身体で、丸く深くカーブした大きな傘をさしているから、き のこが歩いているようにも見えたけど、歩く人たちの中で一番かっこよかった。雨があがったらとても邪魔になりそうな大きな傘(とくに黒)をさしている人を 見ると、心の余裕が感じられて、こうでなくちゃね、といつも思う。けれど、軽量極小の折りたたみ傘を愛用している私です。

 

2008年6月8日
 油性マジックの「ゼブラ ハイマッキー」(写真。定番の大きさのやつ)が好き。インクがたっぷり入っててペン先がいつもしっとりと濡れており、「細」のぺん先なんかは元気な犬の鼻みたいで可愛いし、「太」「細」どちらを下にしてもペンが立つし。昔から変わらないデザインで、いろんなときにこのマジックを使ったことを思い出すし。
 でも、ゼブラのホームページを見たら、この商品は1976年の発売と記されており、私の場合中学卒業あたりまでこの商品はなかったことになる。中学でもこれ使ってた気がするんだけど…。好きといってる割に記憶が曖昧。

 

2008年6月1日
  つくばエクスプレスに乗ると、飛行機乗ったときみたいに内耳に空気圧がかかる感覚にな る瞬間がたまにある。それに慣れた最近は、エクスプレス車内が絶好の居眠り空間となった。揺れが少なく快適な乗り心地。乗車時間が45分というのも、長く も短くもなく居眠りにちょうどいい時間。今日はあの本を読むぞ、と思って乗り込んでも、電車が出発すると催眠にかかったみたいに123で入眠。
 今日は、秋葉原からつくばエクスプレスの始発(5時30分発つくば行き)に乗った。近 くの席に座ったスーツ姿の40歳前後の男性は、電車が動き出すと同時に入眠。酔っているようだった。彼が眠る様子は実に気持ちよさそうで、寝たまま二回ほ ど耳を指で押さえる仕草をしたので、「ああ、空気圧がかかっているんだな」と見ていて思った。また、寝ながらニンマリするのも見えて「たのしい夢でも見て いるのかな」と思った。私は珍しく眠くならず、彼の職業や家族や好きな食べ物などを想像しながら過ごした。終点つくばの二つ手前の駅に到着したとき、彼は 目をパチリと開け、車窓から駅名を確認して目を丸くし、「うっ、間違った」とつぶやいてあわてて電車を降りていった。乗り過ごしたのなら、違うセリフにな るだろう。たぶん、乗る線を間違えたのだ。それにしても、終点近くになって気づくとは…。違う線なら早めに気づけたのかもしれないけど、気持ちよく居眠り して寝ながらニンマリしたりもしたんだから、そう悪くはない乗り間違えだったんじゃないだろうか。

 

2008年5月25日
 
昨日の大阪出張の往復の新幹線はグリーン車で有り難かった。グリーン車の席は普通車の指定席の5倍は快適。なので、出張先から新幹線チケットが届いてそれがグリーン車の席だったら「やった!」と自然に声が出る。ビールのテレビコマャーシャルの「グリーンだよ!」も一緒に言ってみたりして、喜ぶ。普通車の指定席だって十分だし不満ではないのだけれど。
  写真は最近愛用している携帯電話入れ。携帯電話とそれにつけたジャラジャラがちょうどすっぽり入るサイズ。手首にかけたりして案外重宝している。

 

2008年5月18日
 ネット上は花の画像で溢れている。そして私は今日もネット上に花の写真を一枚増やす。庭にいま咲いている紫蘭。
 料理の画像も多いけれど、私は花のほうが多い気がする。

 

2008年5月13日
 数日前の午後、近所のコーヒー専門店でカプチーノ(写真)を飲んでいたら、コーヒー豆を買いに来たお客さん(背の高い白人男性)とお店のスタッフ(若い日本人女性)の会話が棚ごしに聞こえてきた。軽い世間話といったふうに二人の英会話がはじまり、そのうち男性の話し方が弾むように楽しげになっていった。そのなかで、女性の言葉を受けて男性が「YES I DO!」と返したときのDO!の言い方が実に表情豊かで印象的だった。三秒ほどを使って発せられた節回しのある歌うようなそのDO!は、「ぼくはあなたと話していていまとってもとっても楽しいでーーす」という気持ちが溢れているDO!だった。
 今日はうすら寒かった。着る物って、一度春夏ものの方向に向かってしまうと、多少寒くなっても後戻りできないところがある。だから今日のような一度暖かくなったあとの寒い日は、着る物が薄着気味なため足首とか二の腕など変なところが冷えてしまう。冷たくなった二の腕を手のひらで温めながら、ちゃんと着てれば寒い思いなんてしないのに、と思った。DO!で気持ちのすべてを表現しきった彼は、今日のような寒さの感想をどんなふうに言うんだろう。

 

2008年5月5日
 
プール行きがたのしい。泳ぐことが気持ちいいほかに、ささいだけれどオモシロなエピソードに毎回必ず出会うから。
 こないだは、BGMに80年代Jポップがかかっていて、それをなつかしく聞きながら水中歩行をしばらくやってたらレベッカの「フレンズ」のときだけあきらかに音量があがるのだった。もしかしてスタッフ間のなにかの合図なのか、あるいは「フレンズ」を客たちに特に聞いてほしいのか、その意味がわからず、注意深くスタッフのみなさんの視線や動きをチェックしてみたけれどわからずじまい。「フレンズ」になると同時にきょろきょろしながら水中歩行していた私も変だったかも。
 また別の日には、泳いでいると左目の端に、私の泳ぎに付き添うように歩いている人の足が見えるという現象が起こった。泳いでいる左側がプールサイドで、そこを、私の泳ぎを見守りながら誰かが歩いているのだ。気になって、顔を上げたままの平泳ぎに切り替えて確認すると誰もいない。何回そうやって見てみても誰もいない。で、普通に顔をつける式の平泳ぎに戻すと、また目の端に歩く足が…。なんなの? 怖い方向に考えちゃうと泳ぎを続けられなくなっちゃうので気を散らしながらなんとか泳いでいたら、なんなのかわかった。ゴーグル内に入った水が泳ぎの動きとともに目の端方向に移動して、それが光の加減でそう見えているのだった。すわ、心霊体験か、という緊張が一気に消失。
 今日は、プールの一斉休憩(全員がプールからあがる)のとき、ベンチでとなりに座った少年(たぶん小4くらい)に、まるで初めてのデートの時に男の人が言うような感じで「お腹空いてきましたね」と笑顔で話しかけられた。そのベンチには少年と私だけなのだからあきらかに私に言っているのだ。でも、知らない子供さんにこんなふうにフレンドリーに話しかけられた体験などないので、絶句してしまった。
 写真は、うちの生垣の木、どうだんつつじ。

 

2008年4月29日
  このところ、季節の香りを満喫している。
 家の入り口付近に藤を木を添わせた鉄のアーチがあり、最近その藤の花が満開(写真)となり濃厚な香りが漂っており、その香りを嗅ぐとほろ酔いみたいにいい気分になる。ファンタグレープの香りに少し似ている。
 昨日、お隣から香り高く美味しいタケノコご飯とタケノコの煮たのをいただきペロリとたいらげた。あれよという間に背が伸びて竹になるタケノコは、万年チビな私の昔からのあこがれ。いっぱい食べると背たけに効く気がする。タケノコの香りは、私にとって春の香りというよりもゴールデンウィークの香り。
 今日、家の周辺の草取りをした。草を引っこ抜くと、その下にはダンゴ虫がいっぱい。ミミズもいた。長らく土なんていじってなかったからか、湿ったむせかえるような土の匂いに圧倒され、草取りは一時間で終了。一時間でも、足腰全身、相当疲れた。

 

 

2008年4月22日
洗濯機の上のスペースにステンレス製の棚を設置した。その棚の説明書に「もらいサビ」について書かれてあった。ステンレス自体はサビにくい金属な のだけれど、潮風の塩分や空気中の鉄粉、ほかの影響を受け、もらいサビを起こしてしまうことがあるそうだ。もらいサビ。自分は悪くないのに感が伝わってく る言葉。あまり嬉しくないもらいものには「もらい」とつくようだ。もらい風邪、ものもらい、もらい事故、など。でも、もらい泣きはこの仲間には入らないと 思う。
写真は、家の庭に咲いているチューリップの花の内側。左下の緑の部分は、赤い花びらが重なっていない隙間から見えている地面の草の色。そこにピントがあってしまった。

 

 

2008年4月16日
引っ越しを機に、新しい洗濯物干しを導入した。
これ→http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4945247382082

縁側の上に渡してある物干し竿に、これを三つぶら下げて使っている。今度の住まいでは、仕事机に向かっているときにちょうどよく見える場所に下げることができるとわかり、眺める機会がぐっと増えたことや使い勝手などを考えて十分に吟味検討して選んだ。
で、これにして正解だった。使いやすいし、何よりも眺めがいい。赤ちゃんをあやす、なんといったっけ、天井から吊るす、ぐるぐる回るやつ。風が吹くとあれみたいに回る。ステンレスとして地味にきらきらしながらだ。風の吹き具合や、洗濯物が干してあるときとないときなど、揺れ方回り方に表情の違いがあり、つい、じっと見てしまう。昔から洗濯物干しを眺めるのが好きだったけど、もっと好きになった。これって、赤ちゃんがあれにあやされているのと同じこと? たぶん、同じ。

 

 

2008年4月14日
目下、新しい住まいの小さな庭には、ムスカリやチューリップ
(赤と黄色)や山吹(一重の)やたんぽぽが地面から生えて咲いている。どの花も、前にここに住んでいた人の嬉しい置き土産。写真は玄関近くに咲いているムスカリ。ご近所にも、公園にも、小学校の周囲にも、其処ここに花、花、花。天気が良くても悪くても散歩したくなる。
19時から、近くの洞峰公園内のプールで久しぶりの水泳。平泳ぎでゆっくりゆっくり50m×10本。

 

 

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