つくばで日記  
東京都新宿区から茨城県つくば市に 引っ越してふた月になります。今日からときどき、日々の雑感などを綴って行きたいと思います。よろしくお願いします。   2008年4月14日 小林光恵


 

 

2012年7月31日

   このところ、深夜、寝床に横になりテレビを消し目を閉じると、蝉の合唱がう わっと耳に押し寄せる。街灯で明るかったり気温が高かったりすると、 昼と間違えて鳴くらしい。蝉の大群に包囲されたかのよう。一体、何匹くらいの鳴き 声なんだろう。不思議とうるさくない。いや、静けささえ感じて、落ち着く。あの有名俳句「静けさや〜」を思い出す。  昨夜、調べものをしていた資料中に「オフロケーション方式」という言葉が出 てきた。おお、お風呂ケーションね、わかるようなわからないような、 そうい えば、映画テルマエ・ロマエはまだかかっているんだろうか。そんなことを思 い、それから丸一日経ったさきほど、オフ・ロケーションであることに気付い た。これも暑さのせいです。
  写真は、以前いただいたガーゼ製の名刺入れ。

 

 

2012年6月29日

  6月のはじめ、高山美術館を訪ねる機会があった。
 ひとけのない館内を巡ったあと、高山の中心街や遠くの山々が見渡せる庭に出てひとり座っていると、カッコウの鳴き声が響きはじめた。見回して探 すと彼
は旗竿のてっぺんにとまっていた。一定のリズムで鳴くのを聴いていたら、私も
あとを追って「カッコウ」と声を出したくなってきて、♪静かな 湖畔の森の影から♪ではじまり♪カコー、カコー、カコー、カコーカコー♪で終わるあの童謡が輪唱に向いていることに納得する。
 5分くらい美声に耳を傾けていると、なぜか彼は、カッコウとカッコウの間隔
を延ばしはじめ、そのうちにシーンとなって、もう鳴くのをやめたのかな、と思い、立ち上がろうとしたら、そのタイミングに「カッコウ」と鳴いたので、驚いて立ちそびれた。そのひと声は、ドリフのカトちゃんなら上手にずっこけることができそうな絶妙な間だった。
 写真は、美術館内に展示されていたガラス作品。背後に映しだされた影が印象的だった

 

 

2012年5月27日

  ご存知のとおり、赤い花をつけるチューリップは、風や人の息で消された蝋燭の火の生まれ変わりです。そのことを疑うほうがおかしいんです。ほかになんの生まれ変わりだというのでしょう。蝋燭の火だったことなどすっかり忘れてチューリップは、地面に垂直に立ち、風に揺れ、雨を知り、花びら の縁の赤色を濃くして、まもなく花を終えます。
 以上、まえに、どこかで読んだか聞いたかした話です。チューリップの季節が
終わって、まったくその姿を見なくなったころ「たしかに、そうかも」 と思う。
 写真は、今春に近所で咲いていたチューリップ。

 

 

2012年3月21日

  アスファルトがなく地面が露出していて、通る自動車によって土がしっかり固
められていて、ジャリ石がお菓子のヌガーのような感じでまばらに土に 埋まっ
ている。そんな道にできる、春の雨後の水たまりが好きです。道のでこぼこの関係で、五色沼のように大小の水たまりができている。たまり水 は、ミルクティ
色で、少し泡だっており、場合によっては春風でわずかに揺れている。傘を持っ
ていれば、その先でたまり水を撹拌したりするのも愉し い。
 先日、昼過ぎに外を歩いていたら、そんな水たまりに出会い、「春は水たま
り」だな、と思った。枕草子の出だし風に。
 写真は、先週行った平塚駅前の河津桜。 

 

 

2012年2月11日

  サドルに座り、右足、左足、とペダルを漕いでゆっくりと平地を自転車で進む
とき、重心の安定を強く実感する。ちょっと風が吹いたくらいでは揺ら がない
重心。もしかして漕がないで止まってもしばらくはそのまま座っていられるよう
な気がしてくるほどの安定感。漕ぎながらそれを感じて、ふいに 泣きそうにな
ることがある。
 写真は、私の仕事部屋の、障子越しに見えた窓の結露。結露って、写真に撮りネットにアップしたくなる人が多いのではないかと思い画像検索してみ たら、
思ったとおりだった。 

 

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