MISOPPA日記  

2001年6月29日
 はたはたと洗濯物にとりついてここぞとばかり遊ぶ風かな

 

2001年6月28日
 JR信濃町駅近くに「森のビアガーデン」というビアガーデンがある。「森」というのに心惹かれて、先日、プールの帰りに寄ってみた。そこは大きな木に囲まれているので、酸素が濃い気がして、気持ちよかった。プールまでの道沿いにあるから、泳いだ帰りにまたふらっと寄ってしまいそうでこわいなあ、と事務所でえんぴつをけずりながら思った。
私は、小学生のころから手でがらがらと回す式のえんぴつけずりを使っている。ときどき思い出してはえんぴつをけずっている。えんぴつを使うためにけずるんではなく、けずるのが好きでけずる。けずりはじめの手ごたえがなんともよくて、「もっと続けばいいなあ」と思って手を回していると、すぐにカラカラと手ごたえがなくなって「あーあ終わっちゃった」と思う。次のえんぴつをけずる。えんぴつの芯が減らないとけずれないから、なるべくえんぴつを使う。そしてまたけずる。ときには、けずった木屑の匂いを嗅ぐ。猫の爪砥ぎみたいなものかな。違うか。この件はぜひ森のビアガーデンで考えてみたい。これで森のビアガーデンに寄る理由ができた。

 

2001年6月25日
早起きをして、ひと仕事をしてから、午前中プールへ。神宮外苑を自転車で抜けていくのがやっぱり気持ちいい。最近は縦長の空間にばかりいるから、横にひらけてる場所がうれしくなっちゃうのかも。写真は、神宮外苑にある絵画館。正面玄関に向き合うようにベンチが並んでおり、そこに座ってしばらく絵画館と対峙する。太いミミズがいた。
自転車に乗ってて少しむ小悩むのは、前方に人が歩いている場合に、リンリンとベルを鳴らせないこと。なんとなくどけどけと聞こえてしまう気がしてできない。なんてったって、歩行者優先だから。今日も、ずらっと人に横並びになって前を歩いていたのだけど、結局ベルは鳴らさないで、走りを緩めて対処した。写真は絵画館。

 

2001年6月24日
 いつも泳ぎに行っているスポーツクラブが工事で数日間休業のため、系列の別の場所にあるスポーツクラブの行くようになった。いつものところは、新宿の歌舞伎町の中にあるマンモススポーツクラブで、今度のところは神宮外苑にあるこじんまりと落ち着いたクラブ。新宿の煩雑な雰囲気も悪くないけど、ひろびろとして緑が多く、人も少ない神宮外苑界隈はとても気持ちがいい。当分はこちらに通うことになりそう。自転車で行けば15分くらいだし。こちらのクラブのそばには神宮球場がある。細長い風船売り屋台がいっぱい出ていて不思議に思ったが、それは阪神ファンが応援でぷーっと飛ばすやつらしい。一個百円。

 

2001年6月19日
 道端に見上げるほど背の高い紫陽花が咲いていた。見上げていたら、紫陽花の花が人の頭みたいに見えてきた。ふむ、谷内六郎ぽいイメージの仕方だ。どこかの店で紫陽花の花のようなデザインの女性用の水泳帽を見たことがある。全面にうす紫の花びら様のひらひらがくっついていた。そのデザインを思いついた人はきっと、見上げるほど背の高い紫陽花を見て、「これだ!」と膝を打ったんじゃないだろうか。自然にスキップもしてしまったかもしれない。商品としてはあまり売れなかっただろうけど。

 

2001年6月18日
 昨日、新宿伊勢丹の中を歩いていたら、四十代の夫婦と思しき二人連れの会話が聞こえてきた。女性のほうが「あっ、いいね」と言って並べられた花束に近づいた。その花束は、最近よく見る布だか紙だかで本物そっくりに出来たやつ。男性のほうがすかさず「そんなの造花だよ」と吐き捨てるように言った。機嫌が悪そうだった。むっとしたらしい女性は立ち止まり、男性をじっと睨んだと思うと、その花束をつかんでつかつかと売り場へ向かったのである。男性は、「そんな……」と呟きながら、足を前に一歩踏み出したまま、口を開けて立っていた。女性ははじめは買うつもりなんかなかったのだろう。
 六十代と三十代の母娘とおぼしき二人連れは、買い物に疲れて、休憩する喫茶を探しているようだった。「いいじゃない、さっきのとこで」と娘。「あそこは高いわりに、ゆっくりできそうにないんだもの」と母。「じゃ、どこにすんのよ!」「あんた、いじわるい!」「なによ」。
 店内では、家族連れらしい人たちは一様に不機嫌だった。たのしそうに品物を物色していたのは、友達同士だけ。お客さんを観察しているうち、マルメロのジャムを買うのを忘れて帰ってきてしまった。
 でも、夫のトランクスを買うのは忘れなかった。ここのところ「トランクスがいくつもだめになってきた」と何度も夫が言っていたから。喜んでもらえるだろうと思って買ってきたのを見せると、「俺、Lサイズなんかじゃないよ。こんなに胴太くなってないよ」と文句を言われたので、「じゃ、いいよ、あたし履くから!」と私がそっぽを向くと、夫は「そんな…」と小さくつぶやいていた。夫は夜、風呂上りにそのトランクスを履いて、「なんとかだいじょうぶみたい」と言った。今度はMにしなくちゃ。

 

2001年6月11日
 金曜日の夜、久しぶりにお酒を飲んだ。総武線「浅草橋」駅の改札口でみんなと待ち合わせたのだが、そばにあったガード下の立ち飲み屋「やきとん」が実にいい雰囲気だった。昔、どこかの家の行事(結婚式とか上棟祝いとか)を手伝った近所のおじさんたちが集まり、多くを語らず、仕事を終えたすがすがしい背中をして、庭でお酒を飲んでいたものだ。その光景に似ていた。すかさず撮った写真はぴんぼけになってしまったけど、それがまた余計に昔見たおじさんたちのように見えて。
 今日は快晴。梅雨の時期の晴れは、ありがたみが倍増する。

 

2001年6月7日
 昨日、友達らと四人で箱根彫刻の森美術館に行ってきた。すぐそばのホテルに前泊し、彫刻の森の中をゆっくり歩いた。友達の一人が画家のIさんで、彼がそれぞれの作家と作品についてさりげなく解説してくれたため、わかった気になって見ることができてたのしかった。霧の中、ぬーっと現れて、思わず挨拶したくなるような彫刻もあった。霧は、乾いた呼吸器を自然に加湿してくれて、気持ちよかった。写真は、彫刻の森に入ったらすぐの場所にあった作品。気に入った。

 

2001年6月4日
 写真は、仕事場の窓のロールカーテンに映った木の影。揺れ方がおもしろくてしばらく見入ってしまった。もうすぐ梅雨だから、西日が作るこの影ともしばらくおさらばかな。

 

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