MISOPPA日記  

 

2003年4月21日
おとといの土曜の夕方、地下鉄「明治神宮前」駅を降りて地上に出ると、空に大きな虹がかかっていた。信号待ちをしていた大勢の若い人たちは、虹に気づくと一斉に、まるで申し合わせたかのように携帯を取り出し、それを虹方面にかざし、写真を撮っていた。「不思議大自然」とかなんとか言うようなテレビで動物の生態を垣間見てる時のような気分になった。宇宙と交信している様子みたいにも見えた。

 

2003年4月15日
目下、週1回のペースで歯科受診している。こないだの治療のとき、奥歯の神経をとっている最中に一瞬痛みを感じ、夢のなかで足を踏みはずしたときみたいに、反射的に体がびくっとした。その様子を担当の先生に見られたということがなんとなく恥ずかしく、帰りに先生と目をあわすことができなかった。
奥歯に穴を開けて治療している。その穴には白い粘土みたいのをちゃんと詰めてもらっているから心配ないのに、山椒とか胡椒とかゴマなどの粒を見ると、奥歯のその穴に入ってしまうのではないかとうっすら不安になりいつのまに奥歯をかみ締めている。歯科の帰り、飯田橋西口の交番のとなりにある楓の樹が花をつけていたので撮影。花なのに実の粒づふみたいのに見えた私は、撮影しながら歯を食いしばり口をぎゅっと閉じていた。写真はその楓の花。

 

2003年4月6日
 3月29日に、パルコ劇場で『奇跡の人』を観た。大竹しのぶさんと鈴木杏さんらが出演。大竹さん出演の奇跡の人はいつもいいけど、今回はとくによかった。鈴木裕美さんの演出が私にはとてもフィットしたのだと思う。
 『奇跡の人』を観た興奮が、私のどこかのスイッチをオンにしたらしく、このところ私にしては行動的な日々を送っている。4日には寒い中、急遽夜桜見物に出かけ、昨日は、前売り券を取れなかったためにあきらめていたラーメンズの公演の当日券にトライ。雨のなか、長靴を履いて本多劇場へ。(なんと最前列の補助席だった! 前回、前々回の公演より私好みのネタで、ものすごくたのしかった) 今日はたっぷり四時間かけて、防衛庁周辺を散策。そろそろ「落ち着け、仕事しろよ」という声なき囁きが耳のうしろから聞こえてきそう。写真は市谷の亀岡八幡宮の桜と近所の花椿。

 

2003年4月3日
今日、出かけた帰りに、写真家・桑原甲子雄の作品展(九段下の昭和館)に寄った。昭和9年から14年にかけての作品80点。浅草や下谷などで暮らす人々の姿や街の様子が中心。花見の帰りに寄ったらしい60代70代の人が目立った。作品展会場の三階から一階へ降りるエレベーターの中でのこと。五十代と思しき女性が、写真展を見て興奮したのか、自分の背におぶっている子供(一歳くらい。孫かな)のほうを向いて、叱るような調子で「昔はね、エレベーターだって、がったん、がったん、と一階ごとに揺れたんだよ、こんなにしずかじゃなかったんだよ!」と言っていた。がったん、がったん、と言うときに、それを再現するかのように体をジャンプさせていた。子供はうっすらと恐怖の表情をしていた。

 

2003年4月1日
 春に白いこまかな花をつける雪柳。微風がふくと花をつけた雪柳の枝は、猫の尻尾(しかもぶっといの)が猫の意思とは関係なく動いているみたいに動く。春に雪柳を見つけると、それを見たくてつい立ち止まってしまう。
 夜、新宿駅東口を通ったら、意外にも東口駅前のロータリーの横っちょの花壇に、雪柳がぎっしり植えられており、満開だった。そこは照明が届かず暗かったが、かえって雪柳の白さが際立って見えた。たくさんの雪柳の枝が例によって猫の尻尾のように動いていた。ウフフフと笑っているように動いていた。しばし見とれた。

http://www5.ocn.ne.jp/~hana-k/yukiya/yukiya.htm

 

2003年3月11日
 清水哲男さんのホームページ『増殖する俳句歳時記』(毎日更新!)をちょくちょく読んでいる。氏が、一日に一句を選び、それに解説をつけている。俳句がぐっと身近に感じられる。いま来ている季節あるいはすぐそこまで来ている季節を、私はこのページで確認しているような気がする。

http://www02c.so-net.ne.jp/~fmmitaka/index.html

 

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